COLUMN
AI IVRの最前線!Amazon Connect × Lex × Bedrockで実現する最新システムを構築してみた
こんにちは、佐藤です。
みなさん、AI IVRを知っていますか?
AI IVR(Interactive Voice Response)とは、人工知能を活用した自動音声応答システムのことです。音声認識と自然言語処理を用いて、顧客の問い合わせに自動で対応してくれるので、カスタマーサポートの効率化とユーザー体験の向上が図れます。
今回は、Amazon ConnectとAmazon LexとAmazon Bedrockを利用して、AI IVRを実際に構築してみたのでご紹介します。
NTT東日本ではAI IVRソリューションをご提供しております。詳細はこちらのページで紹介しておりますので、併せてご覧いただければと思います。
1. Amazon Bedrockとは?
Amazon BedrockはAWSが提供するフルマネージド型の生成AIサービスです。
Amazon Bedrockを利用することで、AI技術を使って文章を生成したり、画像を作ったり、データから新しい情報を生み出したりすることができます。
また、難しい技術的な知識がなくても、簡単にAIを使ったアプリケーションを作ることができるのが特徴です。
Amazon Bedrockの詳しい内容については、こちらの記事をご確認ください。
生成AIサービス「Amazon Bedrock」とは?できること・使い方
NTT東日本のクラウドエンジニアにてAmazon Connectの導入運用支援を実施しております。サービス資料をダウンロードして、自社の電話業務の改善にお役立てください。
2. Amazon Lexとは?
Amazon LexはAWSが提供する音声やテキストを使用して、任意のアプリケーションに対話型インターフェイスを構築するサービスです。
Amazon Lexには、音声からテキストデータへの変換に自動音声認識(ASR)、テキストの認識には自然言語理解(NLU)と呼ばれるディープラーニング技術が活用されており、Amazon Alexaに使われているものと同じ技術を使用できます。
Amazon Lexの詳しい内容については、こちらの記事をご確認ください。
ディープラーニングを利用した対話型アプリを構築できるAmazon Lexを解説
NTT東日本のクラウドエンジニアにてAmazon Connectの導入運用支援を実施しております。サービス資料をダウンロードして、自社の電話業務の改善にお役立てください。
3. Amazon Connectとは?
Amazon ConnectとはAWSが提供するクラウド型コンタクトセンターサービスです。
AIを活用した音声認識や自然言語処理機能も統合されており、効率的なカスタマーサポートを実現します。
また、従量課金で使用することができ、コンタクトセンターの運用を簡素化+オペレーターの効率を向上させ、コスト削減を行うことができます。
Amazon Connectの詳しい内容については、こちらの記事をご確認ください。
AmazonConnectとは|導入時のメリット・注意点を解説
NTT東日本のクラウドエンジニアにてAmazon Connectの導入運用支援を実施しております。サービス資料をダウンロードして、自社の電話業務の改善にお役立てください。
4. AI IVRシステムの構築
今回構築するシステムの構成図としては、以下の通りです。
Amazon ConnectのコンタクトフローからAmazon Lexで質問を受け取り、Amazon Lexでテキスト化された質問内容をLambdaがAmazon Bedrockにリクエストする流れとなります。
NTT東日本では上記仕組みを応用し、AI IVRソリューションをご提供しております。詳細はこちらのページをご覧ください。
4-1. AI IVRシステムを構築するための前提条件
今回は、Amazon Bedrockで使用するモデルとしてClaude Instantを採用しました。
Amazon BedrockでClaude Instantを使用する手順についてはこちらの記事をご確認ください。
【AWS】Amazon Bedrock で Claude 3 を利用したチャットを使ってみた
次に、Lambda関数からAmazon BedrockのAPIを呼び出すために必要なアクセス権限を定義したIAMロールを作成します。
アクセス権限のポリシー定義は以下で作成します。
{
"Version": "2012-10-17",
"Statement": [
{
"Effect": "Allow",
"Action": "bedrock:*",
"Resource": "*"
}
]
}
信頼関係のポリシー定義は以下のようになります。
{
"Version": "2012-10-17",
"Statement": [
{
"Effect": "Allow",
"Action": [
"sts:AssumeRole"
],
"Principal": {
"Service": [
"lambda.amazonaws.com"
]
}
}
]
}
IAMポリシーの作成方法についてはこちらの記事をご確認ください。
AWSのサービスへのアクセス制御を定義できるAWS IAMのポリシーとは?実際に使用してみた
最後に、Amazon Connectインスタンスをオレゴンリージョンで構築し、電話番号を取得します。
Amazon Connectを構築する手順についてはこちらの記事をご確認ください。
新入社員が入社半年でAmazon Connect構築してみた!!!
4-2. Lambdaの作成
初めにAmazon Lexから呼び出され、Bedrock APIに対してリクエストを送るLambdaを作成します。以下のパラメータを指定してLambda関数を作成します。
- 関数名:bedrock-lambda
- ランタイム情報:Python 3.12
- アーキテクチャ情報:x86_64
-
アクセス権限情報
- 実行ロール:先ほど作成したIAMロールを指定
Bedrock APIを呼び出すPythonコードは下記の通りに記述を行い、Deproyをクリックします。
import json
import boto3
from decimal import Decimal
bedrock_runtime = boto3.client('bedrock-runtime')
def decimal_to_int(obj):
if isinstance(obj, Decimal):
return int(obj)
def elicit_slot(slot_to_elicit, intent_name, slots):
return {
'sessionState': {
'dialogAction': {
'type': 'ElicitSlot',
'slotToElicit': slot_to_elicit,
},
'intent': {
'name': intent_name,
'slots': slots,
'state': 'InProgress'
}
}
}
def confirm_intent(message_content, intent_name, slots):
return {
'messages': [{'contentType': 'PlainText', 'content': message_content}],
'sessionState': {
'dialogAction': {
'type': 'ConfirmIntent',
},
'intent': {
'name': intent_name,
'slots': slots,
'state': 'Fulfilled'
}
}
}
def close(fulfillment_state, message_content, intent_name, slots):
return {
'messages': [{'contentType': 'PlainText', 'content': message_content}],
"sessionState": {
'dialogAction': {
'type': 'Close',
},
'intent': {
'name': intent_name,
'slots': slots,
'state': fulfillment_state
}
}
}
def get_bedrock_response(input_text):
prompt = f'\n\nHuman: 200字以内で答えてください。答える際、200字以内と言わなくてよいです。{input_text}\n\nAssistant:'
modelId = 'anthropic.claude-instant-v1'
accept = 'application/json'
contentType = 'application/json'
body = json.dumps({
"prompt": prompt,
"max_tokens_to_sample": 1000
})
response = bedrock_runtime.invoke_model(
modelId=modelId,
accept=accept,
contentType=contentType,
body=body
)
response_body = json.loads(response.get('body').read())
return response_body.get('completion')
def Bedrock_intent(event):
print("Received event:" + json.dumps(event, default=decimal_to_int, ensure_ascii=False))
intent_name = event['sessionState']['intent']['name']
slots = event['sessionState']['intent']['slots']
input_text = event['inputTranscript']
if slots['freeinput'] is None:
return elicit_slot('freeinput', intent_name, slots)
confirmation_status = event['sessionState']['intent']['confirmationState']
if confirmation_status == "Confirmed":
return close("Fulfilled", 'それでは、電話を切ります', intent_name, slots)
elif confirmation_status == "Denied":
return close("Failed", 'お力になれず、申し訳ありません。電話を切ります', intent_name, slots)
# confirmation_status == "None"
response_text = get_bedrock_response(input_text)
print("Received response_text:" + response_text)
return confirm_intent(
f'それでは、回答します。{response_text}。以上が回答になります。回答に納得したかたは、はい、とお伝え下さい。納得いかない場合、いいえ、とお伝え下さい',
intent_name, slots)
def lambda_handler(event, context):
print("Received event:" + json.dumps(event, default=decimal_to_int, ensure_ascii=False))
intent_name = event['sessionState']['intent']['name']
if intent_name == 'bedrock':
return Bedrock_intent(event)
lamdaの作成は以上となります。
4-3. Amazon Lexの構築
次に作成したLambdaとAmazon Connectを仲介するLexボットを作成します。
対応言語は日本語で完了をクリックします。
左側にある「インテントリストに戻る」をクリックし、「エイリアス」→対象のエイリアス→『言語:Japanese(Japan)』を順にクリックして、Lambdaの紐付け設定画面を出し、先ほど作成したLambdaを紐づけます。
「インテント」→「NewIntent」をクリックします。
インテントを呼び出すためのサンプル発話は、「はい」にします。
「スロットを追加」をクリックし、スロットを追加画面からスロットタイプを「AMAZON.FreeFormInput」で指定し、追加します。
先程設定したLambdaが利用されるように、「初期化と検証にLambda関数を使用」にチェックをして、保存をします。
右上にある「Build」をクリックし、正常に構築されたことを確認します。
4-4. Amazon Connectのコンタクトフローの作成
作成済のAmazon Connectインスタンスで、「問い合わせフロー」をクリックし、先ほど作成したLexを追加します。
対象インスタンスのインスタンスエイリアスをクリックし、「Log in for emergency access」をクリックします。
左側ルーティングにあるフローをクリックし、「フローを作成」をクリックします。
左側のブロックから下記のようにフローを配置します。
「音声の設定」ブロックの3点リーダーから「設定を編集」をクリックし、「言語」を「日本語」にして「音声」は「Kazuha」にし、「言語属性を設定」にチェックして保存します。
「顧客の入力を取得する」ブロックの3点リーダーから「設定を編集」をクリックし、読み上げるテキスト、Amazon Lexのボット名やエイリアス名、インテント名を記載して保存します。
右上の三角マークから「名前を付けて保存」を行い、「公開」をクリックしてフロー公開の後、電話番号をフローに割り当てれば、Connectの設定は完了です。
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4-5. チャットテスト
構築が完了したので、Amazon Connectのチャットテストでテストをしてみます。
ホーム画面にある「チャットをテスト」をクリックします。
「テスト設定」をクリックし、先ほど作成したフローを選択して、「適用」をクリックします。
チャット画面で「はい」と入力すると、質問内容を問われます。
質問内容として「日本の名物を教えて」と問い合わせした結果が以下になります。
問い合わせ内容に回答されていることを確認出来ました。
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5. まとめ
今回は、Amazon ConnectとAmazon BedrockのClaudeを組み合わせて、AI IVRを構築してみました。実際に構築をしてみると、Lambdaの実行時間などの制約もあるので電話での対応よりチャットでの対応の方が使いやすそうです。
このコラムがAmazon ConnectやAmazon Bedrockを利用したことない方の参考になれば幸いです。
NTT東日本では本コラムでご紹介したような技術を活用し、AI IVRソリューションをご提供しております。こちらのページで詳細ご紹介しておりますので是非ご覧ください。
また、AI IVRに関してのご相談窓口もご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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